安全工学

 本質的安全設計方策に基づく制御法の提案とその実システムへの適用に関する研究

 これまで、日本の製品の多くは性能やコストに重点が置かれ、安全性を技術的課題として正しい検討がされてきませんでした。国際標準化機構(ISO)には安全に関し、グローバルな合意を得た設計のための一般原則(ISO12100:設計者責任)が示されています。これを無視してグローバルな商品展開を求めても、国際的な認証が得られません。また、良いとされるべき技術は技術者が積極的に守るべきです。技術者は製品を通して使用者からの必要に応え、使用者に利便を提供するわけですが、無責任な理由で起こす事故は社会に混乱と経済的損失を与えるだけでなく、社会から非難を受け、製品が市場から消されてしまうことにもつながります(例えば2004年3月六本木ヒルズの回転ドア事故)。そうなると、この利便に頼って生活する多くに人たちに、不便を強いることになります。設計のための一般原則は、技術者が自らの技術を守るための正当な手順を示してくれます。

 本研究室では、設計のための一般原則の基本である本質的安全設計方策に基づく新しい制御方式を提案しています。また、それを実システムに適用した研究を行っています。

 例えば、エレベータに適用した本質安全エレベータは、地震や停電が発生した場合、安全を確保しつつ、「閉じ込め」が起こらないことを保証するエレベータです。また、空気圧システムへの適用により、人間と接触するサービスロボットにおいても安全を保証することができるようになります。

 モノ作りは「安全」を条件としています。「安全」を基礎におくと、これまでにない新しいモノ作りを発想することができます。